2022シーズンの振り返り

        

神山 亮弘

監督

端艇部を応援いただいている皆様、並びに三田漕艇倶楽部会員の皆様、選手ご家族の皆様、今シーズンも応援ならびにご支援誠にありがとうございました。

必勝を期した4月の早慶レガッタでの予想外の対校エイト敗退から始まった今年のシーズンでしたが、6月の全日本選手権では対校エイトをはじめ3クルーが決勝に残るなど、集大成の9月全日本大学選手権で十分に優勝を狙うことが可能な状況で夏を迎えました。

その後、厳しいシートレースを通じたクルー選考を経て、8月の半ばより新型コロナ感染を避ける意味も含めて男女とも主力クルーは新潟県の奥只見湖で合宿を行い万全の体制を整えました。

今年の全日本大学選手権でも多くの大学が新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、特に強豪中央大学は直前に複数の感染者が発生したため男子全クルーがレースに出漕できない事態となるなど、新型コロナ感染が始まって以来、その影響を最も大きく受けた大会となりました。

対校エイトの決勝レースでは、早慶レガッタの最大の反省であったスタートからの前半勝負に見事果敢にチャレンジし、理想的な展開で1000mまで日大と並び、トップ集団でレースを進めました。近年の慶應にはない展開です。最終的には5位となり、昨年度の3位に及ばない結果となりましたが、この環境下で、全クルーが優勝を目指して死力を尽くしたことについて、選手たちに心から拍手を送りたいと思います。

昨シーズンの振り返りの中でも、「多くの人材を残した」と総括しましたが、今シーズンもより多くの人材を残しました。今回のインカレには2年生が15人、1年生が2人出漕しました。また、1年生が8人乗って出漕したオックスフォード盾レガッタにおいても久々の順位決定戦(Final B)に進出しました。その残る選手全員が次のシーズンでのリベンジを心に誓っています。

私は今回のインカレをもって監督を退任しました。在任した4年間で全日本選手権や全日本大学選手権での優勝は成し遂げられませんでしたが、大きな可能性を持ち、リベンジに向けた強い闘争心を秘めた多くの選手たちが残ります。

新体制では、まず来年の早慶レガッタで雪辱を果たし、全日本選手権、全日本大学選手権でも必ずや結果を残してくれるものと確信しています。

森本新主将、小仲新監督や田邉ヘッドコーチによる新体制に対しても、倍旧のご指導、ご支援を何卒よろしくお願いいたします。


      田邉 保典

ヘッドコーチ

満を持して臨んだ春先の早慶戦でしたが、結果としては僅かに及ばず苦杯をなめてのシーズン幕開けとなりましたが、思えばこの戦いのスタートはエイト新艇の購入計画が出た時、今の4年生が3年生の時からだった事を思い出します。

学生自らも艇に関する情報収集を行い、神山前監督、我々コーチ陣と詰めに詰めて船型やオプションなどの最終的な判断、決定をしたもので、そこから並々ならぬ勝利への執念をもって挑んだ訳ですが、結果は稀に見る追い上げをしたものの遂には及ばず、本当に悔しい2022年のスタートとなりました。
特に前半を攻めきれなかった事が大きな敗因となったわけですが、間もなく行われた海の森での全日本選手権ではしっかりと軌道修正した内容で戦う事が出来たと考えています。
結果は決勝へ進出、大学勢として3番手の5位。納得はいかないまでも、競るレースを展開、胸を張れるものだったと考えています。

そしてインカレを残すのみになるわけですが、小艇での漕ぎこみからトレーニングを再開、ワンストロークの精度にこだわり、対抗メンバーは7月のチーム最終選考を勝ち取った新布陣となり、明確に「優勝」を目指し、日々過酷な暑さの中で戦ってきました。

昨年の振り返りで「尻尾を掴んだ」と表現し、あとはどれだけ引き寄せられるか。

それが今年の挑戦でした。
しかし結果的に相手は更に暴れ、こちらはそのダメージを受け、手から尻尾が離れてしまった。

掴んでからが本当に難しいという事を思い知らされた、という事になろうかと思います。

振り返ってみて反省しきりですが、輝きを放っていたことも数多くありました。

意地の決勝レースへの進出とスタートダッシュからのビックチャレンジ。

それは目を瞠らせ、勇気と希望を持たせてくれ、「ROWOUT SPIRITS」を感じさせてくれるものでした。
こうして果敢に挑んだ4年生は、今後の人生の糧にしてほしいと切に思います。

またインカレの編成を進める中で頭角を現してきた2年生、オックスフォード盾レガッタに挑戦した1年生中心のメンバーの大成長も大変に嬉しいものでした。
現在、全日本新人戦に向け、戦いの真っ最中ですが、必ずや期待に応えてくれるものと信じています。

来年に向けての課題、それはそれぞれの心に巣食う「油断」「慢心」「妥協」「甘え」「言い訳」と考えています。そこにどう挑み、打ち克っていくか、いけるかです。さらにはそうした隙を作らない、作らせない、チームとしての鉄桶の団結が不可欠と考えます。

このインカレをもって、神山体制から小仲新体制となり、早速、次から次へと手を打たれています。
連携を密に、手を携え、支えあって、各々が「何のために」を常に考え進んでいけるか、心して挑んで参る決意です。

最後になりましたが、コーチをされていた時代からご一緒させていただいた神山前監督におかれましては本当にお世話になりました。また大変にお疲れ様でございました。
積み上げて下さった土台をしっかりと継承して参ります。
これからも一OBとして、宜しくご指導の程、宜しくお願い致します。


       石田 新之介

主将

昨シーズン、我々は「王者」を目標に戦いました。コロナ蔓延による度重なる活動休止など、困難も多かった1年でしたが、部員1人1人がそれぞれの居場所で粘り強く戦い、133期の活動を無事終えることができました。各部員が全力で競技に打ち込むことができたこと、これはひとえにOB・OGの方々のご指導、ご支援のおかげです。この場を借りて心より感謝申し上げます。

他方で、冒頭でも述べた「王者」という目標を達成することはついにできませんでした。来年こそは「早慶戦勝利」、「日本一」を、頼もしい後輩たちが達成してくれることと信じております。

改めて、サポート頂いたすべての皆様、本当にありがとうございました。


    伊地知 真優

女子主将

2022年度のシーズンにおきましても、多くの方からご支援、ご声援を頂きましたこと、誠に感謝申し上げます。

第100回全日本選手権大会では、舵手付フォア4位。第49回全日本大学選手権大会では、付フォア7位という結果にて、今シーズンを締めくくりました。

女子部の今年の大きな目標として、自分自身の身体と向き合い、高い強度の練習を行いながら怪我をしない身体作りを進めて参りました。個々に様々なバックグランドを併せ持つ女子部員は、毎年のように怪我人を出してしまうという問題が起こり、十分な練習強度を出すことができませんでした。また、今年度女子漕手が6人と非常に少ない中で、1人たりとも欠かすことができない状況でした。自分の身体と向き合うために、練習後のケアはもちろんのこと、アスリードフィットネスジムにおいて自分自身のからだを制御する方法を学ぶボディーコントロールなどを行いました。結果として、ローイング動作での出力の仕方や動かし方の癖を周知し、艇速に繋げることができました。

また、コロナ禍の影響を特に受けたシーズンでもありました。思い通りにいかないながらも、目標に対して何ができるのか、組織としてどう動かなければならないのか、正解のない中でチームで議論をし続け道を作って参りました。

来年度は134期で力を合わせて、新たな道を作り続け悲願の日本一を目指して参ります。今後ともご声援の程、宜しくお願い致します。


      磯田 大貴

主務

今シーズンも端艇部への多大なるご支援賜り、誠にありがとうございました。

今シーズン、MGR陣は「部の運営を通じて端艇部の組織力を高め、日本一の艇速を実現すること」を目標に活動しました。その中で、新歓活動、広報活動の強化、食事の改善に注力して取り組みました。

新歓活動は、早慶戦とインカレに並ぶ部の三大イベントと定義し、部員全員で取り組んだ結果、1年生19名、2年生3名を新たな仲間として迎えることができました。広報活動は、コロナ禍であっても端艇部の活動を身近に感じていただくために、WEBサイトやSNSでの発信を活発に行い、初漕ぎ式や進水式ではライブ配信を実施しました。食事の改善は、日々の艇庫飯のメニュー更新を行ったことで食事や栄養についての関心が高くなり、部内で「栄養班」が組織され、選手・MGRともに、練習だけでなく陸上でも強くなろうという意識が広がりました。これらの取り組みはまだ道半ばですので、今後も継続して参ります。

日本一の艇速を実現する組織力として、部の要となるMGR陣の運営能力は必要不可欠です。早慶レガッタの敗戦は、MGRによる運営面を含めた組織力の差だったと思います。そして何より、新型コロナウイルスとの闘いにおいても、同じことだと感じます。

強い端艇部を作るため、引退する133期も、後輩のサポートに全力を尽くす所存です。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

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