2024シーズンの振り返り及び、インカレの総括

2024シーズンの振り返り

2024年のシーズンは10月の全日本新人選手権を残すものの、9月4日から8日まで開催された大学選手権を以て4年生が引退し、端艇部としての1年間の活動が幕を閉じました。

今年も現場への沢山のご支援、ご声援をいただき、誠にありがとうございました。

今シーズンは4月の早慶戦で敗北し、大学選手権では対校エイトが8位という結果となり、選手や私たちが望んでいたものとは程遠い結果に終わりました。

シーズンを通じて、「このクルーに勝って次のステージに進む」「予選で同じようなタイムの相手なので当然勝つ」「こういう展開でレースを運んで勝つ」そういった思惑で臨んだ勝負どころのほとんどすべての場面において、競り負ける結果となりました。

今年は高校から競技を継続してきた漕力のある4年生が中心となり、何事にも「傑出」するというスローガンのもと、練習の質、生活の質を高め、自分たちのスタンダードを高めることに日々努めましたが、彼らの努力を結果として昇華させてあげられなかったことについて、私の力不足を痛感しています。4年生一人一人には、この4年間勝利を目指し真剣に取り組んだ分だけの糧が残っていますので、この貴重な経験を大いに活かし、端艇部の真の目的である、これからの社会人生活において大活躍してもらいたいと願っています。

大学選手権を終えた現場は、すでに9月中旬より中村主将、小林主務の新体制のもとで新たなスタートを切っています。

今年の結果を受けて臨む来シーズン、軽々に日本一になる、とは言えません。

活動のすべての面において解体的な出直しが必要だと感じています。

しかし、私たち指導陣が学生に対し、今日から来年のインカレで結果を得るまでの道筋を描き示し、学生が目の前の一日一日の生活、毎モーション、毎ストロークを真剣に、一つ一つ積み重ねていくことで、その先に必ずやその道がはっきりと見えてくるものになると信じています。

それを学生と私たちが一年間如何に真剣にやり切ることができるか、そこにかかっていると思います。

我々は勝利のために、永続的に強く魅力的なチームを築くために、4年間を捧げる覚悟を持って体育会端艇部の門を叩いた人間の集団です。

初心を忘れることなく、来シーズンに向けて、また明日から一日一日を積み重ねていきたいと思います。

来シーズンに向けて、OB・OGの皆様からの倍旧のご支援、ご指導をどうぞよろしくお願い申し上げます。

小仲正也 

監督

この春先の早慶戦、対校エイトは僅差で勝利には届かず、悔しいシーズンスタートになりました。しかしながらフィジカルスコアでは大きく水を空けられている強豪早稲田大学に対し、あれだけ肉薄したレースとなった事は大きな成果でもあり、それまでの努力は間違っていなかった事は疑いありません。

今年の隅田合宿も3月に入る頃から隔週で始まり、早慶戦が近づくにつれて毎週のように行い、量質共に充実したトレーニングは出来ていました。その裏ではマネージャーたちがそれをしっかりと支え、チームとしての士気も高まっていました。しかし結果には繋がらなかった現実に、反省と申し訳なさしかありません。

対校エイトクルーが敗れたあと、塾長から学生たちに対し、
 「この結果を受けて、これからどうしていくかが大事で、価値あるものにしていかなくてはならない」といったお言葉をかけて頂いていたのですが、それを傍らで聞き、我が事でもあると受けとめ、その思いを持ち続けての、その後の全日本、そしてインカレとなりました。

こうして隅田川での悔しさをバネに挑んだ全日本選手権、今年もトップクルーはエイトではなく、フォアや小艇で挑むことになり、結果で見れば無しフォア、付フォア、そして女子ペアがA決勝に進出、両フォア共に5位、女子ペアは6位という結果でした。強豪ひしめく中で、いずれも大健闘と考えていますが、もちろん満足はしていませんし、他ならぬ本人達が一番納得していません。

こうして更なる悔しさを胸に重ね、いよいよインカレを迎えることになります。

7月に行ったエルゴ測定、そしてシートレース選考と、猛暑の中、過酷を極めましたが、最終的には監督コーチ陣と4年生幹部陣とで詰めに詰めたうえでメンバーを決め、リスタートを切りました。年ごとに増すような危険な暑さの中、戸田での合宿をやり切り、恒例の奥只見合宿では更に追い込んだ付加トレーニングを自主的に実施し、本番を迎えました。

結果はご承知の通り、対校エイトは準決勝で死力を尽くして挑みましたが、Aファイナルに勝ち上がることが出来ず、Bファイナルで2位の8位という結果で大会を終えました。全く思うような結果を出すことが出来なかったのは無念でしかありません。

そして竹峰キャプテンの号泣は忘れることはないと思いますし、忘れてはならないものになりました。

早慶戦から先行されるパターンが多かった中で、そこからひっくり返せる力を、そしてその自信をつけるには、やはりどこまでも乗艇を多く重ねて技術を改善し、心と身体を鍛えに鍛えていく以外にない。この王道以外、例外は一つもないと考えています。これから如何にして取り組んでいくか、何のために漕ぐのか。今一度、一人一人が原点に立ち返り、この秋、そして冬と共々に戦って参る決意です

最後になりましたが、今年もマネージャーたちの献身的なサポートに、そしてOBOGのご支援に対しまして、心より感謝と御礼を申し上げます。大変にありがとうございました。

田邉 保典

ヘッドコーチ

日頃より慶應端艇部をご支援、ご声援いただき、2024シーズンも無事に活動を終えることが出来ました。部を代表し心より感謝申し上げます。

この一年を通し、Head Of Charles Regattaへの出漕やスポーツマンシップ講座、インソール講座、栄養講座など、様々なことを経験しました。このどれもが、慶應端艇部が塾生として、水の王者として、新たな視点を得るという勝利する上で必要な変革であったと感じています。他方で、「傑出」というスローガンを掲げ、部内でも部外でも負けない強みを見つけ伸ばし、自信を持って試合に臨んだ一年でした。また、このスローガンは歴代の中でも、部員全員が口に出すほどに浸透し、日本一という目標を共通認識することで高め合っていました。

しかしながら、今シーズンの戦績を振り返って見ると、悔しい結果で終わることが多かったと思います。今シーズンの結果を受け、私は思ったことが二つあります。
まず一つ目に、フィジカルと船の知見です。慶應端艇部は技術力では他に比べ、そこまで劣っているとは思いません。そこで何に差があるのかと問われれば、間違いなくフィジカルだと思います。また、道具の効率的な使い方についても更なる艇速向上に繋がると思います。我々部員は多大なるご支援のもと活動できており、強くなるための環境は十分に準備できていると考えています。OBの方々とお話しさせていただいた際に伺った話ですが、海外では船の水に対する抵抗やオールなどについて物理などを用いて研究しているそうです。我々部員もこのいただいている環境に感謝し、更なる改善を図っていければ、より速い勝てるクルーを作ることができると思います。
二つ目に、勝ち癖をつけることです。慶應端艇部は長らく日本一になることが出来ていません。だからこそ、勝つノウハウを身につけるべく様々な大会に出漕し、レースにおける冷静さや勝負勘を磨くことなど勝ち癖を身につけていくことが今の慶應端艇部には必要なことではないかと今シーズンを通じて実感いたしました。

この二つは今シーズンを通し、私が主将として実感したことですが、残った後輩たちは私以上に何かを感じ、変化を求め、これまでの悔しさをバネに更なる成長を遂げてくれる頼もしい部員ばかりです。そんな強い後輩たちなら、慶應端艇部の積年の目標である日本一を達成してくれると信じています。

改めて、端艇部を応援してくださる全ての皆様、誠にありがとうございました。
今後とも、慶應端艇部へのご支援、ご声援のほどよろしくお願い申し上げます。

竹峰颯健

主将

今シーズンも皆様からの多大なるご支援ご声援をいただき誠にありがとうございます。
マネージャー陣は、昨年度からほとんどのメンバーが継続しておりました。全員が経験豊富なため、例年より厚いサポートを目指しました。また、早慶レガッタや水上運動会の運営においてはマネージャー全員が最大限活躍できるように心がけてまいりました。
チームは結果として早慶レガッタ、全日本、インカレと悔しい結果となってしまいました。
この結果を受けて、勝利のためにはマネージャー陣からチームに対してもっと良い影響を与え続けなければならないと感じました。日々のビデオ撮影や食事の質を上げることも大事ですが、今のチームにはそれだけでは足りなかったということだと思います。そしてインカレの時に2位で泣くほど悔しがっている他大学のマネージャーを見た時、我々は2位でここまで悔しがれたのか、と自問自答しました。来年のマネージャー陣には今シーズンの結果を踏まえてよりチームにコミットしたマネージャーを目指してほしいと思います。
今後とも、端艇部へのご支援、ご声援の程よろしくお願い申し上げます。

浅見悠成

主務

9月4日(水)から9月8日(日)にかけて開催された、第51回全日本大学ローイング選手権大会及び第64回オックスフォード盾レガッタに出場するクルーの大会総括を掲載いたします。

●男子エイト

今回のインカレは、非常に悔しい結果となってしまったものの、次に繋げることができる試合になったと考えております。
準決勝では強豪校が多く出ており、最初で出ることを最善とし、万が一1Qで出られても慌てることなく、我々の強みであるコンスタントで2・3Qで着実に船を伸ばし、残り600mからのラストスパートで水を空けるレースプランで臨みました。試合当日では、1Qで相手に出られ、2Qのアタックで他校との差を縮めましたが、緊張による身体の固さやまっすぐ船を進められなかったことで差を空けられ、残る距離も少なく、ラストスパートに入ってしまいました。ラストスパートで全員気持ちを入れ替え、最後の1ストロークまで諦めることなく全力で漕ぎましたが、追いつけずB決勝に回りました。
B決勝では、準決勝を引きずらず気持ちを切り替えて臨み、全体タイムで傑出することを意識しました。スタート6本では前に出ることが出来ましたが、その後のスタートスパートで相手に出られ、常にアタックを続けましたが差が変わることなくゴールしました。
今回のインカレでは、私が長年のボート人生で感じ続けてきたフィジカルを強化するべく、毎練習後補強を行うなど創意工夫をしてきました。しかしながら、今回の大会の結果を受けて感じることは、更なるユニフォーミティを追求すること、そして、緊張に慣れることです。幸いにも、このクルーには後輩が多く乗っているため、来年以降に今大会で得たことを生かしていって欲しいと思います。

クルーリーダー 竹峰颯健

●男子フォア

男子なしフォアはB決勝3着、総合9位という形になりました。4年生3人と3年生1人を乗せたクルーでした。藤枝、田中、鈴木は昨年の全日本選手権から5大会連続同じクルーということで、息のあった漕ぎをすることはできていたのですが、準決勝、B決勝共に、フィジカル面で勝ち切れなかったと考えています。4年生の無念は3年生の鈴木に託そうと思います。この度は応援ありがとうございました。

クルーリーダー 山村瑛

●男子舵手付きフォア

準々決勝4艇レースで4レーンでのレースとなりました。この時は弱い逆風が吹いていました。第一クォーターはスタートが上手くいき、勢いに乗ってスピードを出すことができました。第二クォーターは第一クォーターのスピードに加速するようなイメージで足蹴りを複数回入れ、タイムを伸ばすことができました。第三クォーターは疲れが漕ぎに出てしまい、課題の体力不足と再現性の低さが出てしまいましたが、前半の貯金を維持して二位で通過できました。ラストクォーターはドライブがらレートを出すことを意識しましたが、ユニフォーミティーが崩れ、結果他大学に差されてしまって四位でゴールし準々決勝敗退となってしまいました。
怪我や体調不良で練習ができなくなってしまう日も多く、自己管理の甘さがレースに響いてしまいました。勝つ為の準備をしっかり行い、レースに向けて全力の練習ができるように邁進していきます。

クルーリーダー 岸本共平

●男子ペア

目標はメダルでしたが、結果はC決勝で1位の11位となり、目標には届きませんでした。最大の原因は、最後まで漕ぎを合わせきれなかったことだと思います。クルーで話し合い、漕ぎ方を統一しておくべきだと感じました。早慶戦、全日本、インカレと続く中で、レース間隔が短いことや、水上での選考期間が長すぎたことから、フィジカルが弱まってしまったことも否めません。ただ、選考を言い訳にせず、ウェイトトレーニングは続けるべきだと強く感じました。

クルーリーダー 峯岸玲雄

●男子舵手なしクォドルプル

男子クォドルプルは、C決勝2着で、全体12位の結果で終わりました。我々は、全日本とほぼ同じメンバーで構成されていました。全日本で結果を出せなかった悔しさから、インカレこそは勝つべくして勝とうと「全てを賭ける」というスローガンを掲げました。そして、あらゆる準備の上でレースに臨みました。しかし、本番では他大学にあと一歩及ばないレースが続き、完成度がまだまだ足りなかったと振り返っています。まだ将来のあるメンバーが多い為、今回の悔しさをバネにして、次こそは良い結果を示せるよう精進してまいります。この度は応援ありがとうございました。

クルーリーダー 三浦健太郎

●男子ダブルスカル

男子ダブルスカルは、全体15位という結果に終わりました。日々の練習から統一感のある漕ぎを再現出来ていた為、自信を持ち本大会に挑みました。レース本番では、スタートで他大に出らてしまい、私たちの強みであるラストスパートでも上位のクルーをさしきることは出来ませんでした。この悔しさを糧に、冬期間の猛練習に励んでまいります。この度は応援ありがとうございました。

クルーリーダー 中村大河

●男子シングルスカル

全てをかけて臨んだ敗者復活戦では、1Qから他の艇に遅れをとってしまい、2Qでスパートを入れましたが、3着であった艇を差し切れずそのまま4着となりました。この度は応援ありがとうございました。

佐野怜

●女子舵手付きフォア

本年度全日本大学選手権にて、女子対校フォアは、6位入賞いたしました。
5日間に及ぶレースの中、変化を恐れず挑戦し、予選から大幅にタイムを伸ばすとともに、強みとしていた第3Qで他大学との距離を縮め、しっかりと差し切るレースを行うことができました。
しかし、今回の女子対校は、各大学が対校として多く出艇している舵手付きフォアでメダルを賭けて戦う覚悟を持って挑みましたが、決勝の舞台では他大学との差も感じる悔しいレースとなりました。
今回が私たち4年生にとって最後のレースとなりますが、今後ともご支援、ご声援のほどよろしくお願いいたします。

クルーリーダー 久松真麻

●女子舵手なしクォドルプル

この度は温かいご声援をいただき、誠にありがとうございました。私たちのクルーは、3年生2名、2年生1名、1年生1名で構成されており、全員が初めて挑む艇種での試合でした。結果は惜しくも敗者復活戦で敗退となりましたが、インカレ期間を通じて着実に成長し、力をつけることができたと強く感じています。この夏の悔しさを糧に、さらに練習に励み、次の試合に向けて努力を重ねてまいります。

クルーリーダー 市村蒔穂乃

〇第64回オックスフォード盾レガッタ

●男子エイトA

A決勝は、6艇レースで6レーンでのレースで、かなり強めの逆風が吹いていました。準決勝の1Qでは、上手くスタートスパートから良いリズムでコンスタントに落とせなかった点を改善して、9人で自艇集中をしました。スタートは5位程でしたが、2Qで勝負をかけ2位に浮上しました。3Qでは、体幹を意識して2Qでつけた差を守りました。4Qでは、後ろ周りでレンジを切らないことに意識を統一させ艇速を伸ばしましたが結果2位でゴールしました。
1年生から4年生までが乗るクルーで、常に良い雰囲気で他責せずクルーとして成長しようと心掛けたことがこの結果に繋がったと思います。ただ、目標の優勝には届かず技術面、体力面共に差を感じる結果でもあったので、この結果に満足せず、再度1から見つめ直して練習に励みます。

クルーリーダー 城座泰志

●男子エイトB

オックスフォード盾レガッタBクルーは、Bファイナル4着で、全体10位となりました。8位入賞を目標としましたが、そこには至りませんでした。しかし、レースの中で1年生には多くのことを経験してもらうことができました。一つ目がレースの緊張感です。予選の1レース目では初めてスタート地点につけることとなる1年生が多く、そこでの緊張感や準備の重要性を感じてもらえました。2つ目がレースの楽しさと難しさです。ラストクウォーターで差し切ったり、また相手に最後差されることも経験しました。
 今大会を通じて、下級生は様々な学びを得て成長しました。必ず、今後の強い慶應に貢献してくれると思います。

クルーリーダー 岩田琉聖

●男子エイトC

Cクルーは自分を含む、ローイング未経験者7人でのチャレンジでした。レース間近になって他クルーの怪我人補充の為Cクルーから離脱者が出るなど、漕手が不足し出場も危ぶまれる状況になりましたが、他大学の1年生やマネージャーも動員し何とか出場に漕ぎ着けました。予選から敗者復活戦で15秒縮める等成長途上でしたが、敗者復活戦敗退という悔しい結果となりました。「一艇ありて一人なし」を学ぶとともに、今回の悔しさと学びを糧に、次のレースに向けて準備していきます。この度は温かいご声援ありがとうございました。

クルーリーダー 小糸源

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