この度、長きに渡り活躍し、端艇部の発展に寄与した名艇、FRONTIERを廃艇いたしました。
FRONTIERは1989年、CENTINIALと共に、Empacher社製同型艇としてほぼ同時に進水しました。
CENTINIALは1989年の早慶レガッタで一足早く使用され、4000mレースをトップボール差で制し、創部100周年を記念する勝利をもたらしました。同年の早慶レガッタ以降、対校艇はFRONTIERへ変更され、中日本レガッタ優勝、インカレ3位などの華々しい戦績と共にデビューを果たしました。
特に1989年開催の第67回全日本選手権では対校エイト艇として使用され、塾端艇部は全日本選手権優勝を果たしました。
以降、FRONTIERは対校艇として長らく活躍し、早慶レガッタでも何度か使用されました。
この度、塾最後の全日本選手権優勝を果たした当時のクルーの方々、C矢野 善之先輩 (H02) 、S古舘 治彦先輩(H04) 、7畠山 滋二先輩 (H03) 、6小林 琢磨先輩 (H04) 、5澤村 昌之先輩 (H02) 、4中山 誠先輩 (H03) 、3中山 郁夫先輩 (H02) 、2鈴木 和男先輩 (H02) 、B濱崎 桂先輩 (H03) のご支援の下、FRONTIERトップ部分を額装下さり、資料室(フロンティアルーム)に寄贈頂くことになりました。
FRONTIERトップ部分の額装は、今後資料室(フロンティアルーム)で飾らせて頂く予定です。
※艇トップの額装は現在デルタ造船にて作成中です。
歴戦を繰り広げ、諸先輩方の想いが詰まったエイトを廃艇することは、非常に寂しい思いです。
FRONTIERの名を冠したFRONTIER CXXVも昨シーズンを以て、新艇エイトに対校艇の座を譲りました。
4年間で入れ替わる学生とは違い、数十年に渡って使用される艇は、かつて端艇部部員だった諸先輩方と、我々現役部員を繋ぐ「証」だと感じました。テセウスのパラドクスではありませんが、部員が替わり、部の雰囲気が変わったとしても、133年目の 慶應義塾體育會端艇部の歴史は脈々と受け継がれていると感じました。
末筆になりますが、全日本選手権優勝クルーの皆様、FRONTIERトップ部分額装のご支援を賜り、ありがとうございました。